京都市伏見区 くいな橋の外科・内科・肛門科・皮膚科

岩田クリニック

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高濃度ビタミンC点滴

高濃度ビタミンC点滴療法とは?

「高濃度ビタミンC点滴療法」とは、1976年と1978年にアメリカで初めてライナス・ボーリング博士(ノーベル化学賞、ノーベル平和賞を受賞)により、治療不能と診断された進行がんの患者200人に使用され、余命が4.2~6倍延長したと発表されました。しかし、1979年にアメリカのメイヨー医科大学のクレーガン博士によって有効性を否定した発表が医学誌でなされたため、その後医学界では忘れられた存在となりました。ボーリング博士らが行った臨床試験方法(高濃度ビタミンCの点滴と経口投与)とは異なり、メイヨー・クリニックのグループが行ったのは経口投与のみという、決定的な違いがあったにも関わらず、同等の試験方法ととみなされてしまったからです。

「高濃度ビタミンC点滴療法」が見直されてきたのは、2005年頃からで、アメリカ国立衛生研究所(NIH)のマーク・レビン博士は、アメリカ国立がん研究所(NCI)、アメリカ食品医薬品局(FDA)に所属する研究者達との共同研究の結果、2005年9月「米国科学アカデミー紀要」という雑誌に「高濃度ビタミンC点滴療法は、がん細胞周囲に過酸化水素を発生し、がん細胞のみを破壊する」と掲載され、センセーショナルなものとして注目を浴びる事となりました。2005年カンザス大学では、卵巣がんや子宮がんに対し、高濃度ビタミンCの投与成果を発表、2007年マギル大学では、高濃度ビタミンC点滴療法が、がんに有効との症例を発表、2008年トーマス・ジェファーソン大学では、悪性リンパ腫に対する作用を発表。さまざまな臨床試験が行われています。

アメリカでは、すでに、悪性リンパ腫、乳がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、などへの治療作用が報告されています。

高濃度ビタミンC点滴は、何故がんによいのか?

ビタミンCの錠剤やサプリメントを、いくら口からたくさん摂取しても、がん細胞を破壊する程度まで血中濃度が十分上がる以前に、そのほとんどが体外に排出されます。さまざまな種類のがんの培養細胞は、ビタミンC濃度が400mg/dlに達すると死滅してしまいます。ビタミンC濃度が高濃度になると、がん細胞の周囲で鉄などの微量な金属と反応し過酸化水素を発生します。正常な細胞は、カタラーゼという酵素が過酸化水素を中和するため影響を受けません。

一方、がん細胞の多くは、このカタラーゼ活性が低下しているため、過酸化水素を中和できずにダメージを受けて、破壊されていきます。

高濃度ビタミンCが、がん細胞を破壊するのに対して、通常の抗がん剤は、正常細胞にもダメージを与えてしまい、骨髄障害、腎障害、肝障害、感染症など、重篤な副作用も出てしまいます。

高濃度ビタミンCは、抗がん剤でありながら、免疫力を高めるという抗がん剤と言えます。

当院で使用している、高濃度ビタミンC点滴剤について

国内で入手できる、点滴用ビタミンC製剤(アスコルビン酸500mg/2ml)には、防腐剤が添加されているため、高濃度の点滴をすると防腐剤が25~50倍も体内に入ってしまいます。

そこで、当院では防腐剤の添加されていないマイラン社(旧:バイオニッシュ社)製の高濃度ビタミンC製剤(25g/25mL)を海外から輸入し、使用しております。

本製剤は、海外のメーカーの中で塩分(ナトリウム)量が少なく、浮腫や心不全をより起こしにくい製剤となっています。USP(アメリカ薬局方)に遵守した製剤です。そのため、ビタミンC点滴療法の先を行く、カナダのマギル大学やアメリカのカンザス大学などで使用されています。

ビタミンC製剤は、厳重な冷蔵管理が必要なため、マイラン社では、アイルランドの工場から全て保冷コンテナで日本に空輸されております。

当院で使用している、高濃度ビタミンC点滴剤について

このような方に、ぜひおすすめします!

【がん治療】
1.標準的ながん治療(手術、抗がん剤、放射線治療など)が無効な場合
2.標準的ながん治療の作用をよりよくしたい場合
3.標準的ながん治療の副作用を軽減したい場合
4.標準的ながん治療をした上で、良好な体調を維持しながら、寛解期を延長させたい場合
5.がんの予防をしたい場合

※作用についての論文はこちら
2006年 癌治療としてのビタミンCの静脈内投与:3例
Sebastian J. Padayatty, Hugh D. Riordan, Stephen M. Hewitt, Arie Katz, L. John Hoffer, Mark Levine

※PDF形式の文書をご覧いただくには、Adobe® Acrobat Reader(無料)が必要です。
お持ちでない方はこちらから入手できます。

【美容・エイジングケア】
1.メラニンの合成を抑制し、肌の色を明るく、美白作用があります。
2.コラーゲンの生成を促進し、肌を若々しく、老化を防ぐ作用があります。
3.活性酸素抑制や解毒作用があるため、体調改善、免疫力の向上、体調の改善、アレルギー症状の軽減などに作用があります。

※作用についての論文はこちら
2017年 皮膚の健康におけるビタミンCの役割 
Juliet M. Pullar, Anitra C. Carr, and Margreet C. M. Vissers

この点滴療法が受けられない方

1.腎不全があり、透析中あるいは透析が必要となる可能性の高い方
2.心不全がある方や不整脈のコントロールができていない方、浮腫、腹水のある方
3.G6PD欠損症(赤血球膜の酵素異常で、遺伝性溶血性貧血、日本人の0.1~0.5%)の方
4.ビタミンCに対し、過敏症のある方

高濃度ビタミンC点滴を開始する前に必要な検査

当院では、一般的な血液検査を施行させていただきますが、他の医院・病院での採血結果があれば、持参していただけたら、足りない項目のみを検査させていただきます。

時間と費用がかなりかかるため、当院ではご希望の方のみ、治療開始前にG6PD欠損症のスクリーニング検査(自費)をさせていただきます。
<スクリーニング検査>
内容:採血をし、G6PD欠損症の検査をします。
回数:1回限りです。
副作用など:検査によるリスクや副作用はありません。G6PD欠損症の方はビタミンC点滴で溶血を起こすので、ビタミンC
点滴を受けることができません。

副作用

低血糖や、点滴による血管通、頭がぼーっとする、などの症状が出ることがございます。

注射方法および検査について

【がん治療】の場合
初回は、ビタミンC15g、2回目から25g(場合によっては、さらに50g)に増量します。
最初の6ヶ月は週2~3回、次の6ヶ月は週1回、2年目からは2週間に1回のペースがおすすめです。

【美容・エイジングケア】の場合
初回は、ビタミンC15g、2回目から25gに増量します。
2週間に1回のペースがおすすめです。

治療費

<全て自費診療となっております。保険適用はありません。料金は税別です。>

【がん治療】の場合

G6PD欠損症の検査(当院では現在施行しておりません)
ビタミンC血中濃度測定(当院では現在施行しておりません)
ビタミンC15g(初回点滴) 10,000円
ビタミンC25g(一般に、高濃度ビタミンC点滴) 12,000円
ビタミンC50g(高濃度ビタミンC点滴) 20,000円
ビタミンC75g(当院では現在施行しておりません)

【美容・エイジングケア】の場合

G6PD欠損症の検査(当院では現在施行しておりません)
ビタミンC15g(初回点滴) 10,000円
ビタミンC25g(一般に、高濃度ビタミンC点滴) 12,000円

※レモン1個のビタミンC含有量が20mgですから、25gでは、レモン1250個分となります。

※高濃度ビタミンC点滴は、医師の個人輸入による未承認医薬品です。Mylan社製ビタミンC製剤は、Mylan社のアイルランドの工場より、冷蔵コンテナで2~8度に冷蔵管理されて輸送されています。
※高濃度ビタミンC点滴は、同一の成分や性能を有する国内承認された医薬品などはありません。
※参考:個人輸入において注意すべき医薬品等について